時計の針は 午前二時を
なぜか躊躇って 動かない
読みかけの手紙 ダッシュボードの上
今夜だけは 続きを明日に
今夜、振り子は休む
世界のスピードを 忘れさせて
窓に映る 街灯の波
私を 優しく 洗い流す
エンジンの音が 沈黙に変わる
雨上がりの匂い 窓を開ければ
誰もいない 交差点で
信号だけが 色を変えている
今夜、振り子は休む
追いかけるべき 明日はまだ遠く
星のない 空の下で
ただ 深く 息をしている
失くした時計の 針を探すように
あの日々の 答えを 思い出す
でも今は この闇も 静けさも
すべて 必要なのだと
今夜、振り子は休む
傷ついた 歯車も 休めるように
動き出せない この瞬間が
ほんの少しだけ 私を 強くする
ふと 時計の針が 動き出す音
振り子の休憩は 終わりを告げて
そっと キーをひねる エンジンの唸り
また ゆっくりと 世界は 回り出す